Black, Kind, Memories

□第2章
1ページ/13ページ




やってきました、合宿!

あたし達がやって来たのは、ある海辺の街。
夏休みと言うこともあり、浜辺には多くの人がいる。


『……なんだろう…』

拓人「…瑠衣?」


声を漏らしたあたしに拓人が問いかける。


『…なんか、見たことある気がするの』

拓人「…この街をか?」


頷くと、拓人は顎に指をあてた。


拓人「…それはおそらく…」

蘭丸「瑠衣、神童!泊まるところ向かうってよー!」


拓人の声を遮った蘭丸に返事をして、拓人と共に蘭丸を追いかけた。


なんと鬼道コーチは、合宿用に鬼道財閥の別荘を貸してくれた。
部屋がいっぱいあるらしく、合宿メンバー全員が泊まれるらしい。

別荘に行き、荷物を置きに行く途中、春奈先生が笑顔で言う。


春奈「さて、ここで部屋割りを発表するわー」

天馬「もうちょっと前に発表してくださいよ…」

輝「音無先生まさか男女ごっちゃにしてませんよね…?」


天馬くんや輝くんが汗を垂らすと、春奈先生はふっふっふ、と笑う。


春奈「その通りよ!男女ごちゃごちゃにしたわ!」


思わずえええ、とため息をつく。
私は気にしないけど、葵ちゃんや茜は気にしないだろうか。
…水鳥も気にしないかもしれない。


春奈「とりあえず円堂監督・鬼道コーチ・私は一人部屋ね」


春奈先生がこんな感じよ、と部屋割りの書かれた紙を掲げる。
ハートマークがたくさん書かれているのは気のせいだろうか。



*A部屋*5人
・瑠衣・拓人・蘭丸・マサキ・輝

*B部屋*5人
・三国・天城・錦・信助・水鳥

*C部屋*5人
・車田・倉間・浜野・速水・茜

*D部屋*5人
・一乃・青山・天馬・剣城・葵



葵ちゃんが春奈先生に何かを耳打ちするが、あたしには聞こえなかった。


葵「音無先生、仕組みましたね?」

春奈「だってこうしないと楽しくないじゃない!瑠衣さんと神童くんと霧野くんねー…最近は狩屋くんも影山くんも気になってるみたいだし…」


葵ちゃんが春奈先生の言動に冷や汗を浮かべている。
何を言われたのかなぁ。


春奈「残念だったのは剣城くんと天馬くんね…彼らもいっしょにしたかったわ!」


葵は思う。
音無先生若いなぁ、と。


苦笑する葵ちゃんに、あたしが声をかける。


『葵ちゃん、荷物置きに行こう!』

葵「あ、はい!」


それぞれの部屋に向かう途中、みんなが何かを話している。


拓人「…霧野、瑠衣と同じ部屋だな」

蘭丸「…あぁ。瑠衣の隣のベットは渡さないからな」

マサキ「俺がいること忘れないでくださいよ、先輩?」

輝「ぼ…僕だって…!」

『4人とも…さっきから何こそこそ話してるの?部屋、着いたよ?』


鬼道監督からもらった部屋の鍵を使い、部屋に入った。

部屋に入ると、大きな窓が目に入った。


『わぁ、海が綺麗!』


窓の方に行き、外を眺める。
空と海と砂浜がすっごく綺麗。


蘭丸「確かにすごいな…」

『うん………あれ?』

マサキ「どうしたんですか?」


あたしが見つけたのは、砂浜でなぜかバスケをしている人たち。
指示をしている人と、あの人…


『ちょっと行ってくる!』

拓人「おい、瑠衣!」


拓人が止めるのも聞かず、あたしは走りだした。




次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ