Black, Kind, Memories

□第4章
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まだお昼時ではないからか、海の家には人はあまりいなかった。


リコ「あら、日向くんたちもここだったのね」

日向「あ、カントク」

木吉「天馬とかもいるぞ」

天馬「先輩方もこれからご飯なんですかー?」

拓人「よかったら、ここ座ってください」


拓人が座っているテーブルの隣のテーブルを指さしたので、あたし達女子組でそこに座った。


『バレー楽しかったね!!』

茜「食べ終わったらまたやろ♪」

水鳥「そうだな!!楽しみだぜ!」

葵「楽しみですね!

リコ「そうね!」


話していると、店員がやって来た。


「いらっしゃいませ!ご注文は何しますかー?」


そう店員に聞かれ、あたしはみんなに尋ねた。
店員の声は拓人や蘭丸と変わらないくらいの年齢の声だ。
家業の手伝いでもしているのだろう。


『みんな、何にする?』

水鳥「あたしはたこ焼きだなー」

葵「じゃあ私も!」

茜「私も…」

リコ「んー、焼きそばかなぁ…瑠衣は?」

『じゃああたしも焼きそばで!!』


そう言いながら振り向くと、店員は目を見開いた。


「瑠衣ってもしかして…相田瑠衣!?」


あたしはそう声を上げた店員をじっと見た。


『…え…?貴方…誰…?』


小さく呟いた声に、彼はかぶっていた帽子をとった。


「忘れたのか?幼馴染みの…須崎風磨だよ!!」


にかっと笑ったその笑みは、どこか懐かしいもので。

実際に言われたあたしより、お姉ちゃんの肩が跳ねた。


日向「…カントク、知ってるのか?」

リコ「……知らない」

風磨「なぁ、瑠衣だよな!?」

『え、っと、確かにあたしは瑠衣だけど…』

風磨「やっぱり!!俺の事忘れちゃったの!?」

拓人「…誰だ、お前は」

風磨「俺は瑠衣に言ってるの!なぁ、ほんとに覚えてないか?俺、ずっとお前のこと探してたんだぜ?」

『あたしを…探してた…?』


…須崎風磨くん。


必死に記憶の中を探るけど見つからなくて。

記憶にはいないのに、見たことないのに。

あたしはこの人を…知らない、って言い切れないのは…どうして?






須崎風磨(スザキフウマ)
・海の家で働く少年。
・日焼けした肌と同じく日焼けした髪を持つイケメンくん。
・瑠衣の幼馴染みだったというが瑠衣は会ったことも見たこともない。
・瑠衣のことをずっと探していた

※須崎くんの名前等は固定です。



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