Black, Kind, Memories
□第5章
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遅れて朝ごはんの準備を始めたあたしだったが、葵ちゃんや茜ちゃんは快く許してくれた。水鳥ちゃんは怒られてたけど。
最後の方の手伝いをし終わった所で、皆が食堂に起きてきた。
天馬「おはようございまーす…」
拓人「毎朝朝食ありがとな」
木吉「今日の朝飯も旨そうだなぁー」
伊月「朝食に嫌いなものが…ちょーショック!!」
日向「じゃあ食うな伊月」
黄瀬「うまそうっスねー!!」
笠松「てめーは朝からうるせーんだよ!!」
黄瀬「朝から蹴らないでほしいっス笠松先パイ…」
緑間「今日のラッキーアイテムはサッカーボールのキーホルダーなのだよ」
天馬「あ、俺持ってますよ!貸しましょうか?」
緑間「あぁ…じゃあ、借りるのだよ」
…朝から皆さん元気ですね。
そして黒子先輩の髪型は爆発してました。
皆でわいわいと朝食を食べていた時、テレビをつけていた。
その時、あるニュースを聞いた葵ちゃんがいきなり立ち上がった。
『…次のニュースです。アメリカでモデルとして活動していた日本人タレントの雪海藍さんが、怪我の療養の為に日本に戻って来ていたことがわかりました』
雪海藍…どこかで聞いたことあるような…
葵「あっ、藍様!!」
天馬「葵!?いきなりどうしたの!?」
葵「天馬、この人知らないの!?日本人の超美人モデルって、すごい注目されてたんだよ!?」
茜「あ、あたしも知ってる」
黄瀬「俺も知ってるっス!!年齢は40代の筈なのに、その美貌は衰えてないって聞いたっス!!」
笠松「出しゃばんなデルモ」
黄瀬「ヒドいっすね!!!?」
どんな人なんだろう、と思いTVの画面を見た。
次の瞬間、
『ああっ!この人!!』
あたしの叫びが響いた。
リコ「…どしたの、瑠衣」
お姉ちゃんの様子が少し変だったのに、あたしは気付かなかった。
否、気付けなかった。
『この人…あたしが夢で見てる人…!!』
あたしはよく、夢を見る。
黒髪の長い女性の夢だ。
TVに映る女性も、腰まである長い黒髪を持っていた。
『…やっぱりあの人だ。夢の中の…』
倉間「…じゃあ、どうして瑠衣の夢の中に雪海さんが出てきたんだ?」
『…それは何故か分からないけど……なんだか嬉しいなぁ』
あたしは、そう笑った。
しかしあたしは気付けない。
お姉ちゃんの気持ちも、あたしの過去も、風磨くんの想いも。
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