Black, Kind, Memories

□最終章
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翌日、特にすることもなく、皆はいろいろしていた。
サッカーしたり、バスケしたり、勉強してたり。

あたしは勉強していたけど、別荘に鳴り響くチャイムで、玄関に向かった。


『誰だろう?』

葵「まさか、また誰か新しい人が来るんでしょうか…?」

『そんなまさか…』


ふふ、と笑って葵ちゃんと共に玄関に向かい、躊躇なくドアを開けた。

そこにいたのは、風磨くんだった。
風磨くんだけじゃない。

彼の後ろに、女性が見えた。


『風磨くん…?』

風磨「…瑠衣、あのな。会って欲しい人がいるんだ」

『…?あたし、に?』

風磨「…ああ。この人」


様子のおかしい風磨くんを疑問に思いながらも、後ろの女性に目を向けた。

長い綺麗な黒髪、誰もの目を引くであろう美貌。

葵ちゃんが小さく息を零したのが聞こえた。


「…久しぶりね、瑠衣」


…この人。
…モデルの、雪海藍さん…?


『…えと…雪海…藍さん…ですよね?』

藍「あら、他人行儀はやめてちょうだい。だって私達…」

風磨「葵ちゃん、皆を集めてくれるか?」


風磨くんが藍さんの言葉を遮るように言い、葵ちゃんがはっとして頷いた。





藍さんを連れてダイニングに向かうと、みんなは目を瞬いた。
みんなはいろいろな反応を見せた。


黄瀬「わぁ!雪海さんじゃないですか!サイン欲しいっス!」

笠松「うるせぇよ黄瀬ェ!」

日向「なんか…すげぇな、瑠衣」

伊月「ああ…有名人と知り合いなんだもんな」

天馬「わぁあ、瑠衣先輩くらい綺麗な人!」

マサキ「…先輩が大人になったらあんな人になるのかなぁ」

剣城「…狩屋、落ち着け」

蘭丸「…神童」

拓人「…ああ、多分そうだ」

今吉「…なんか、似とるな」

桜井「え、何がですか?」

今吉「…瑠衣と…雪海サンや」


藍さんと風磨くん、お姉ちゃんとあたしでテーブルを挟んだソファに座る。

藍さんは、ゆっくりと微笑んだ。


藍「集まってもらってごめんなさいね。私は雪海藍。よろしくね」

リコ「……それで、何の用ですか」


ぎゅっ


『…?』


隣に座るお姉ちゃんが、あたしの手を握る。


藍「…リコちゃん、大きくなったわね」

リコ「…今まで、何をしてたんですか。今更戻ってきても、瑠衣は渡せません」


…どういうこと…?





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