Black, Kind, Memories
□最終章
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未だに理解できないでいるあたしを置いて、話は続いていく。
リコ「…今まで何をしてたんですか」
藍「リコちゃんも知っているでしょ?アメリカでモデルをやってたわ」
リコ「…瑠衣を置いて、放っておきながら…何を言ってるんですか…?」
握られた手が痛い。
お姉ちゃん、怒ってる…。
どうすべきか狼狽していると、後ろから声がかけられた。
黒子「…カントク、瑠衣さんを連れていきます」
拓人「…瑠衣は俺達で守りますから」
蘭丸「…お願いします」
『…黒子先輩、拓人、蘭丸…』
三人はあたしの後ろで、お姉ちゃんを見つめていた。
リコ「…瑠衣、三人と少し上の部屋行ってて」
『…う、ん』
お姉ちゃんの手が離れると、その手は黒子先輩に繋がれた。
そのまま手を引かれ、三人と共に二階に向かった。
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『…どういうこと、なのかな…』
二階の、あたしが拓人たちと寝泊まりしている部屋でそう呟くと、拓人が口を開いた。
拓人「…瑠衣、昔の記憶があんまりないって言ってたな?」
小さくうん、と頷くと、拓人はあたしを見て言う。
拓人「…俺が話すよ、俺の知っていること」
蘭丸「!、神童、お前…」
声を上げた蘭丸に、黒子先輩も告げる。
黒子「…話した方がいいと思います」
蘭丸「黒子さんまで…」
黒子「…瑠衣さんは知るべきでしょう」
先輩の言葉に、あたしは呟く。
『…あたしの…過去…』
拓人「瑠衣、耐えられるか?」
いつになく真剣な顔をする拓人。
少し驚いたけど、あたしもその目を見つめ返した。
『…うん。…あたし、知りたい』
あたしが言うと、拓人は少しだけ微笑んで語り始めた。
拓人「…あれは、小学校二年の時、かな。瑠衣が転校生として、俺と霧野の前に現れた」
『…?、転校生?あたし、生まれも育ちも稲妻町だよ?』
拓人「まぁ聞いてくれ。その時の瑠衣は、俺達や他人を拒んでいるように見えた。誰も近づかないでほしいみたいだった」
蘭丸「…最初の頃、はな。…しばらくすると、瑠衣は俺達に馴染んできたんだ」
『………』
…少しずつ、思い出す。
あの時の気持ち。
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