黒猫の本棚、長い道のり

□足跡15つ目、恋泥棒-本編-
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「よぉ、待たせたな」

「随分遅かったな、待ちくたびれたぞ!
大の方か?」

「ヒーローが大なんてするわけねぇだろ。
糖の方だ」
「いや糖尿におかされたヒーローなんて聞いたことねぇよ!
そっちの方がいねぇよ!」


『糖尿?!だからあれほど、甘いものは控えてって言ったのに!』
「いや、そこ?」



「フン、まぁいい。獲物はどうする?
真剣が使いたければ貸すぞ。お前の好きにしろ」


近藤は負ける気などないらしく、銀時に真剣を譲るつもりらしい


「俺ァ、木刀で充分だ」


しかし銀時は自分の木刀に手をかけ、それを拒否した


「このまま闘ろうや」

「…なめてるのか貴様」


馬鹿にされたと思い、眉間にシワを寄せる


「ワリーが人の人生賭けて勝負できる程、大層な人間じゃないんでね

代わりと言っちゃなんだが、俺の命を賭けよう」

「何?」

「お妙の代わりに俺の命を賭ける。テメーが勝ってもお妙はお前のモンにはならねぇが、邪魔な俺は消える。

後は口説くなりなんなり、好きにすりゃいい。まあ、勿論俺が勝ったらお妙からは手を引いてもらうがな」


「(まさか、自分の命を白刃の元にさらして、負けても私には危害を及ぼさないようにするつもり…?)

ちょっと…止めなさい!銀さん!!』


橋の上から話を聞いていたお妙が止めようとするが、二人はお互いを見つめたままだ


「クク…」

「?」


ふと、近藤がニヤリと笑う


「い〜男だな、お前
お妙さんが惚れるはずだ。いや、女子より男にもてる男とみた」

「嬉しくねぇぞ」

「フン…
小僧、お前の木刀を貸せ」


ガシャン と真剣を置く近藤が新八に言うが、銀時が愛刀の洞爺湖を投げ渡す

代わりに新八の木刀を受け取った銀時は近藤に向き直る
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