黒猫の本棚、長い道のり

□足跡15つ目、恋泥棒-本編-
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「何でこんなに惨めな気分?」

『自業自得だと思うよ、銀ちゃん』

「舞…お前まだいたのか」

『なぁに、それ。折角夕飯でも作ってあげようかと思ったのにな』

「マジでか!」


バッと起き上がった銀時は、舞の腕を引いて歩き始める


『わっ!立ち直り早!』

「ばっか、久しぶりのちゃんとした飯を食いっぱぐれてたまるか!行くぞ!」

『全くもぅ…』








ざわ…


銀時達が撤収した後も橋の上は野次馬が解散するところで、少しざわついていた

そこにある二人組が通りかかる


「…何だ、騒ぎか?」

『さあ?


なあ、そこの旦那』

「あ?なんだい、兄ちゃん」

『何かあったの?』

「ああ、女取り合って決闘したらしい」

『おおー、粋なことするねぇ』

「だよな。まあ、卑怯な手口使ってたらしいがな。なんでも相手に渡す木刀削ったとか」

『へェ、面倒な事するねぇ』

「兄ちゃんはそんな事すんじゃねぇぞ」

『おお、ありがとな旦那』


手をふって野次馬と別れると、郁は土方の元に歩いてくる


……


『女取り合って決闘してたらしい』

「女だァ?
ハッ、くだらねェ、どこのバカがそんな事…」


「『あ』」


二人が橋の上から覗くと、そこには見覚えのある人物がいた



「近藤局長…」
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