黒猫の本棚、長い道のり

□足跡10つ目、爆破テロ
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「あー、お腹すいた」


朝稽古を終え、食堂に向かっていた山崎は、
庭の掃除をする郁を見つける


「あ、郁さん、おはよう」

『あ、退さんおはよう』

「なんかもう、定着してるね…。まあいいや!
今日のご飯は?」

『あー、確か永野さんが鯖焼くって』

「鯖かぁ…。味噌汁は?」

『玉ねぎ。そういえば、退さんコレ…』


隊服からゴソゴソと取り出したのは、ミントンのハネだった


「あっ!
何処にあったの?探してたんだ!よかったー。
でも、なんで俺のだって…」

『さっき木に引っ掛かってたのを見つけたんだ。
最初誰か分からなかったんだけど…

今さっき土方が此処通りかかったから教えてもらった』



「…誰に?」

『土方』

「いつ?」

『今さっき。…ああ、ほら後ろ』



郁の指差す方へロボットのようにギギギ…と顔を向ければ、そこに文字通り鬼の顔をした土方がいた


「山崎ィィィ!!」

「ギャァァアア!!」


逃げようとするも捕まり、タコ殴りにされていく山崎


『あはは、面白ー。
じゃあ、まだ掃除の途中だから』


じゃあなー、と手を降り去っていく郁は、満面の笑みだった


「鬼畜ぅぅぅ!!


ぶへっ!」












山崎を見捨てた郁は早速仕事を再開する
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