黒猫の本棚、長い道のり
□足跡11つ目、美しく、生きる
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"……これまでか"
天人に囲まれた黒髪の男と銀髪の男
多勢に無勢…まさに絶体絶命の状況だった
"敵の手にかかるより、最後は武士らしく、潔く腹を切ろう"
"バカ言ってんじゃねーよ、立て"
敵を見据える銀髪の男は力をふりしぼり立ち上がる
"美しく最後を飾りつける暇があるなら、最後まで美しく生きようじゃねーか"
その言葉に黒髪の男も呆れたように笑い立ち上がる
その目は諦めてはいなかった
"行くぜ、ヅラ"
"ヅラじゃない桂だ"
その男、銀色の髪に血を浴び
戦場を駆る姿はまさしく
夜叉