神喰
□jealousy
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極東支部、ブラッド隊。
その隊長を務める名無しさんは、今日も極東の地で大型種を相手に神機を振るう。
無線の向こうの恋人…テルオミも、そんな名無しさんをバックアップしていた。
戦場では、今日はソーマが名無しさんの任務に付き添っていた。
無線越しにしかバックアップできないテルオミが、そんな状況に不満がないと言えば嘘になる。
ソーマが密かに名無しさんに想いを寄せていることを、同性であるテルオミは知っていたからだ。
「はあ…、なんでソーマさんなんだ……」
[テルオミ?何か言った?]
「いえ、なんでもありません。今日もよろしくお願いしますね」
そんなミッション前の会話を、テルオミはぼんやりと思い出していた。
自分は無線でしか会話が出来ないというのに、ソーマは名無しさんと直接目を合わせて語れる。
そう思うと、テルオミの中にモヤモヤとした感情が芽吹いてしまった。