黒バスの引き出し
□真ちゃんのタオル
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翌日。
「し、しんちゃーん。返すよー」
自分でも分かるくらい笑顔が引きつってると思う。
まだ先輩は来ていない。ロッカーも隣同士だからパパッと渡すつもりだったんだけど…
「し、真ちゃん⁉︎」
受け取った瞬間タオルを顔に当て、スンとにおいを嗅いだから驚いた。
「…」
そして何も言わず部室から出てこうとするから。
「ちょ、待ってよ!タオル今日使うの⁉︎」
焦って腕を掴むとニヤリと笑われた。
「あぁ。高尾のにおいがするからな。」
意味不明な理由をつけて体育館に向かっていった。
てことは…
「真ちゃんがタオル使ってるたびに思い出しちゃうじゃんか…」
思わずそこに座り込んだ。
真ちゃんは…意地悪だ…
「あ?何やってんだ高尾?」
「宮地さん…俺…休んでいいすか…」
「は?何言ってんだ轢くぞ」
昨夜の自分をしみじみと恨んだ。