黒バスの引き出し

□真ちゃんのタオル
4ページ/4ページ

翌日。


「し、しんちゃーん。返すよー」

自分でも分かるくらい笑顔が引きつってると思う。

まだ先輩は来ていない。ロッカーも隣同士だからパパッと渡すつもりだったんだけど…

「し、真ちゃん⁉︎」

受け取った瞬間タオルを顔に当て、スンとにおいを嗅いだから驚いた。

「…」

そして何も言わず部室から出てこうとするから。

「ちょ、待ってよ!タオル今日使うの⁉︎」

焦って腕を掴むとニヤリと笑われた。

「あぁ。高尾のにおいがするからな。」

意味不明な理由をつけて体育館に向かっていった。

てことは…

「真ちゃんがタオル使ってるたびに思い出しちゃうじゃんか…」

思わずそこに座り込んだ。
真ちゃんは…意地悪だ…


「あ?何やってんだ高尾?」

「宮地さん…俺…休んでいいすか…」

「は?何言ってんだ轢くぞ」

昨夜の自分をしみじみと恨んだ。
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ