黒バスの引き出し
□雪かきしよう
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つし…あ…つし…
んーなんだよ…今日は学校休みなのに…
あつ…あ…し
この声は室ちん?何やってんのうるさい…
「敦!!」
「もーなに…うるさいよ室ち「雪だよ敦!!見てくれよ!」
そう言われて外を見ると窓の曇りが室ちんの手で丸く拭われていた。
そこから見える景色は一面の銀世界。そういえば昨日のニュースで雪降るとかなんとか…
「って…雪なんて去年もあったでしょ?」
「何言ってるんだよ敦。俺が日本に来たのはインターハイの後だ。」
「あ、そうなんだ。」
珍しく目を輝かせてすごいすごいとそわそわしている。
「かーわいい…」
「ん?なんか言ったか敦?あ、それよりも早く外に行こう。」
冗談じゃない。こんなに寒いのに。
「え?やだよ一人で行きなよー。寒いし休みだし寝たいー。」
「何言ってるんだ敦。さっき監督が男子の部活は総動員で朝から雪かきするって言ってたぞ。」
「えーそんなぁーやだ「おい氷室ー敦は起きたかー」
「あ、福井さん。起こしましたよ。出てこないけど。」
ひょっこりと小さな先輩が顔だけ出していた。
「おい敦頼むから早くしてくれ。後五分で説明始まるんだよ」
「えー俺パスー」
「んなことできる訳ねぇだろ。はよするべ」
ええ…まぁめんどくさいけど室ちんが困った顔してるししょうがないかぁ…。
後でお菓子買ってもらおう。
その後は分担の通りに男バスは校門辺りの雪を除けたり、途中で鎌倉作って先生に怒られたりして、すっかり綺麗になった。
「こんな感じじゃろ。監督に報告してくるから、みんな寮に戻ってくれて大丈夫だ。」
「アゴリラお疲れアル。」
「お疲れ。モミアゴリラ。」
「お菓子買って。」
「岡村さんお疲れ様でした。」
「わしの味方は氷室だけじゃな…」
そんなやりとりをしてから室ちんの部屋に来た。
「敦お疲れ。ほらこれ。」
そこには新作のポテチが。
「あ、ポテチだぁ。ありがとうー」
頑張ったからなって頭を撫でてくれる。
嬉しい。
雪かき頑張るだけでお菓子と室ちんが貰えるなんて、毎日雪でもいいかもなって思った。
でもなぁ…
やっぱりめんどくさいかもなぁ。
そんなことを考えながらポテチを開けた。
まぁ室ちんがニコニコしてくれてるなら、それでいいかな。