黒バスの引き出し
□僕の頭の中
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白い天井。独特なにおいがするこの窮屈な部屋。
ぐったりした高尾が口を開いた。
「ねぇ、真ちゃん。」
「なんだ」
「恋人とかね、家族とかね、死んだ人の骨食べるとね、その人が考えてたことが分かるんだって。」
虚ろな鷹の目は奇跡的な回復がなければもう何も映さないと言われた。
「俺が死んだら、真ちゃんさぁ、俺の骨食べる?」
大袈裟なんだ。大袈裟なだけなんだ。医者もこいつも。
ピッピッと無機質的な音が耳に障る。
「さぁな。」
なんだか、不安になって高尾の手をギュッと握った。
「俺だったら、食べるかもな。真ちゃんが何考えてたか知りたい。真ちゃんの頭の中、知りたい。」
ふわっと笑う姿は儚かった。
「そんなの、何を考えてるかなんて、決まってるだろ」
管だらけの高尾の胸に手を当てた。
どくどくと心臓が叫んでいる。