Harry Potter 長編(二次)
□久しぶりの帰還
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8月31日深夜。
人気のない城の内部にて、二人の男女が議論していた。初めは学校の運営について…お次は魔法界の今後について……。
ヒートアップした女性とは裏腹に男性は一息入れたいのか机のうえにあったレモンのお菓子を手に取り、懐から出した杖をサッと振った。
一瞬のうちに紅茶入りのティーカップが”出現”する。
男性…もといアルバス・ダンブルドアは紅茶を優雅に口に含んだ後、女性…ミネルバ・マクゴナガルへちらりと視線を移した。
「のうミネルバ…わしに何か言いたい事があるのではないかね?」
ミネルバは少し驚いた表情をした後、かすかに微笑みをもらした。
「アルバス、昔から貴方には隠し事はできませんね。では私が貴方に聞きたかった事を言います。」
「あの子は一体いつ…なるのでしょう?」
アルバスはティーカップの縁を見つめたまま…。
「私達がどうにかしてあげられないのですか?」
質問しているミネルバの瞳は心配そのものだ。
「わからぬ。彼女に変化が訪れるか訪れないか、そのような事はわしにもわからんのじゃ。」
アルバスはため息をつき、ミネルバの視線を回避しようとする。
「では、変化がないということもあるのですね?」
捲し立てたような口調にはそれなりに彼女の”あの子”に対する愛情がこもっているように思えた。
「ああ…そう願っておこう。現に彼女の母にはそのような特徴は見られんからな。」
「幸せな人生であるとよいな…キャサリン」