マギ
□共に・・・
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「これですか?」
「こ、紅明様!?」
取ってくれたのは私の夫の練紅明だった。
「あ、ありがとうございます。それより何故ここに・・・?まだ他国にいるはずでは・・・。」
そう、紅明様は一週間くらい前からお仕事で他国にいるはずだった。
しかも帰ってくるのに3週間はかかると思っていた。
「あちらでの仕事が早く片付きまして。それで、兄王様から名無しさんが仕事をしていると聞きここに。・・・会いたくなりましたので。」
わざわざ会いに来てくれた・・・?
素直に嬉しくて、心臓が高鳴る。
「ありがとうございます///・・・ですが、他国でのお仕事でお疲れになっていませんか?私に構わず、お休みください。」
私はそう言った。
だって、紅明様は軍議とかでなかなかゆっくりできる機会がないから・・・。
「名無しさんのお仕事を手伝う・・・というのはいけませんか?」
「そ、そんな!私が勝手にやってることですし、第一紅明様はお疲れになっ」
「先程みたいに手の届かない所にある資料はどうするのです?」
「うっ・・・。」
「またジャンプでもするのですか?」
「そ、それは・・・って拝見していたのですか!?」
「クス、こういう時困りますよね?」
「わ、笑わないでください・・・。」
「とにかく早く終わらせて、二人で過ごしたいのです。よろしいですか?」
「こ、紅明様がいいとおっしゃるなら・・・。」
紅明様はフッと笑って「ありがとうございます」と言った。
そして耳元でこう囁く。
「まだ言っていませんでしたね。ただいま戻りました、名無しさん。」
「お帰りなさい・・・紅明様。」