マギ

□共に・・・
2ページ/6ページ





「これですか?」


「こ、紅明様!?」




取ってくれたのは私の夫の練紅明だった。




「あ、ありがとうございます。それより何故ここに・・・?まだ他国にいるはずでは・・・。」




そう、紅明様は一週間くらい前からお仕事で他国にいるはずだった。


しかも帰ってくるのに3週間はかかると思っていた。




「あちらでの仕事が早く片付きまして。それで、兄王様から名無しさんが仕事をしていると聞きここに。・・・会いたくなりましたので。」




わざわざ会いに来てくれた・・・?


素直に嬉しくて、心臓が高鳴る。




「ありがとうございます///・・・ですが、他国でのお仕事でお疲れになっていませんか?私に構わず、お休みください。」




私はそう言った。


だって、紅明様は軍議とかでなかなかゆっくりできる機会がないから・・・。




「名無しさんのお仕事を手伝う・・・というのはいけませんか?」


「そ、そんな!私が勝手にやってることですし、第一紅明様はお疲れになっ」


「先程みたいに手の届かない所にある資料はどうするのです?」


「うっ・・・。」


「またジャンプでもするのですか?」


「そ、それは・・・って拝見していたのですか!?」


「クス、こういう時困りますよね?」


「わ、笑わないでください・・・。」


「とにかく早く終わらせて、二人で過ごしたいのです。よろしいですか?」


「こ、紅明様がいいとおっしゃるなら・・・。」




紅明様はフッと笑って「ありがとうございます」と言った。


そして耳元でこう囁く。




「まだ言っていませんでしたね。ただいま戻りました、名無しさん。」


「お帰りなさい・・・紅明様。」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ