居場所
□第6夜
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「・・・んだよ紅炎、行くのか?」
俺の呼びかけにすぐ対応するジュダル。
「あぁ、頼む。」
「んじゃ、行くぜー。」
ジュダルの用意した絨毯に乗り飛び立つ。
向かう場所はシンドリア。
名無しさんが行くと決めたからには、シンドバッドに話さないとならないことがある。
向かっている途中、ジュダルが話しかけてくる。
「夕刻に名無しさんのこと送んの?」
「いや、あいつには船で行ってもらう。」
「へー。つかお前たちがここまでしなくても、あいつらは自分の気持ちぐれー気付くと思うけど。」
「今までこれほど待って進歩がない。第三者が干渉しなければ、二度と婚儀を行わんだろうな。」
随分名無しさんのことを気にするな。
そう思いながらジュダルを見るも、表情は変わらない。
「・・・して、ジンが現れたら俺がお前乗せてシンドリア行きゃーいいわけ?」
「あぁ。それより、あのネックレスは金属器で間違いないのだな?」
「おそらくな。ちっ、よりによってあいつらに頼むのかよ。」
「仕方あるまい。」
今回、名無しさんをシンドリアに向かわせる目的は紅明と離すためだけではない。
目的は・・・もう一つ。
「・・・っと、着いたぜ。」
そんな話をしている内にシンドリアへ着く。
迎えの者に案内され、俺とジュダルはシンドバッドの元へ向かった。