居場所
□第6夜
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「やぁ、待っていたよ。」
「よぉ、シンドバッド。」
「・・・ふん。」
用意された部屋にはシンドバッドただ一人。
俺達も随分甘く見られたものだ。
「座ってくれ。・・・ここに来たということは、妹君がシンドリア滞在を決めたということだろう?」
「妹ではない、嫁候補だ。」
座ってそういう。
そして、ジュダルも当たり前かのように座ろうとしているのを見て一言。
「ジュダルお前は出て行け。」
「はぁ!?んでだよ!!」
「ここからは俺とシンドバッドでの話し合いだ。お前は今回の目的を知っているだろう、聞く必要はないはずだが。」
「・・・チッ、じゃあ終わったら呼べよな。シンドバッド、その辺うろうろさせてもらうぜー。」
そう言ってこの部屋を出ていく。
数秒の間があったが、最初に口を開いたのはシンドバッド。
「ははっ、ジュダルは相変わらずだな!」
「俺の言ったことは大抵聞く。他の兄弟たちよりは俺は苦労していない。」
「たしかにそのように見える。・・・して、名無しさんと言ったかその子は。」
シンドバッドが前のめりになって聞いてくる。
やはり気になるか。