ねがいごと
□Episode4
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「仁王。」
「おう、悪いの。」
公園のブランコに乗っていると真田がさっき買ったであろうスポドリを投げてきた。
俺はそれをキャッチして一口飲む。
夜とはいえ暑いからのぉ。
・・・にしても不思議じゃの。
こんな時間に真田と二人で公園にいるとは。
クク、おかしくなってくるぜよ。
真田はブランコのすぐ隣にあるベンチに座る。
先に口を開いたのは真田で。
「・・・で、何を知りたい。」
「何をと言われてものぉ。」
「・・・では、どこまで知ってる。」
「なにも。」
あー、怒っとる。
絶対この顔怒っとる。
「そんな顔しなさんな、事実なんじゃし。あ、おまんと幼馴染とは聞いたぜよ。」
さっきの真田の聞き方といい、こりゃ自分で話そうとはせんな。
俺から聞かないと話すつもりなさそうじゃ。
「じゃあ俺から質問させてもらうけんのぅ。」
「そうしてくれ。」
「あいつ、家族は?」
とりあえず一番気になったことを聞く。
家族関係の話になると、みょうじは黙っていたから。