マギ
□繋いだその手を
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とある夜。
私が自室で仕事をしていると、扉をたたく音がして音の方へ顔を向ける。
「どなたですか?」
「紅明様・・・今、よろしいですか?」
「・・・名無しさん?」
相手がわかり、扉を開ける。
そこにいたのは私の婚約者が立っていた。
だが、いつもと様子が違う・・・。
いつもなら笑顔で私の元へ来るのですが、今日は悲しそうな顔をしていた。
「・・・どうぞ。丁度私も睡眠をとろうとしていたところです。今宵は共に。」
「・・・(コクリ)」
あんな表情をされては、放っておくことなどできない。
部屋に招き入れ、共に寝所へ。
名無しさんを私の横に寝かせると、名無しさんは話し始める。