居場所
□第7夜
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「明兄ー、今日はありがとー!」
「いえ・・・別に構わないのですが、紅覇が私と共に外へ出たいなど・・・珍しいこともあるんですね。」
「まぁねー、今日は何となくで明兄。じゃ、またねー。」
「はい。」
今日一日、紅覇に付き合い久々に外へ出た。
・・・さて、今日分の書類を片付けなければいけないですね。
「あぁ、その前に・・・。」
今日外へ出た際に購入した髪飾りを手に取る。
名無しさんに似合うと思い、購入したもの。
「喜んでいただければ良いのですが・・・。」
そう思い、自室に向かう前に名無しさんの部屋に向かう。
笑顔で受け取ってくれる名無しさんを想像する。
どんな反応を見せてくれるのでしょう。
あなたなら・・・きっと笑って受け取ってくれますよね。
そんなことを考えながら歩き、部屋の前に着いた。
扉を叩き、声をかける。
「名無しさん、いらっしゃいますか?」
中からは返事がない。
「・・・名無しさん?」
扉を開け中に入るも部屋は暗い。
・・・いない?
この時間帯はいつも部屋にいるはずですが・・・。