居場所

□第8夜
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「そして、ここが我が国で売っている食物で・・・姫様?」


「え、あ・・・うん。それで?」


「・・・。今日はもうこの辺にして、城へ戻りましょう?」


「・・・うん。」




ヤムライハさんに心配かけちゃったかな・・・?


シンドリアへきて、1週間が経った。


他国の・・・しかも皇子・皇女でもないのに同格の身分という私に親切にしてくれるシンドリアのみんな。


でも、やっぱり・・・




「帰り、たいな・・・。」




みんなに会いたい。


声が聞きたい。


紅明・・・今なにしてるかな。




「姫様・・・?」


「ご、ごめん!帰りたいなんて言っちゃって・・・。」


「いいえ、今回の滞在は姫様自身がお決めになったことではないのでしょう?ですので、自国に帰りたいと思う気持ちは自然かと。」


「うん、ほんと紅炎はいっつも思いつきで行動するからねー・・・。」


「我が王も滞在に乗り気だったようで・・・申し訳ありません。」




ヤムライハさんが頭を下げる。


ど、どうしよう。


そんな意味で言ったわけじゃないのに・・・!




「そ、そんな!言い出したのは紅炎なんだし・・・シンドリア国の方に非はないよ!」
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