居場所

□第9夜
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「明兄ー、明兄ってばー!」


「・・・・・・。」


「紅明、紅明!!」


「・・・っ!あ、兄王様に紅覇。いかがなさいましたか?」




名無しさんがシンドリアへ行ってから紅明の様子がずっとこうだ。


一日中宙を見ていることも多い。


仕事にもあまり集中しておらず、ペースが一気に落ちた。




「(炎兄ー、これはまずいよー。)」


「(ふん・・・ある意味効果は絶大だろう。)」




・・・だと思うが、このままでは煌帝国の政情に関わる問題になる。


そういった事務仕事は紅明に任せている為、紅明が機能しない限り煌帝国の政治が滞る。


もうあいつがシンドリアへ行って3週間になるが、あちらからも一向に連絡が来ない。




「・・・一度連絡を取ってみるか。」


「・・・っ!名無しさんにですか!?」


「うわー、明兄反応はやー。」


「違う、シンドバッドにだ。」


「・・・そうですか。」


「明兄ってこんなわかりやすい反応してたっけ・・・。」




全く、名無しさんがいないだけで紅明がここまで集中力がなくなるとは。


それにシンドバッド王もなにをしている・・・。
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