殿の寝室

□不治の病(惇×操)※
3ページ/6ページ

失職した時も、曹操を信じて励ましてくれた。

曹操の初陣には、自ら鍛練した兵をつれて来た。

集めた兵に逃げられたこともあった。
信頼した部下たちに裏切られたこともあった。
親友と敵対することもあった。

そんな時でも、夏侯惇は曹操を信じ、励まし、支え、裏切らなかった。

そして今も……

「何故……?」

曹操は呟いた。

何故彼は、そんなにも曹操を信じることが出来るのだろうか?
こんなにも長い間、変わらぬ愛を貫き通せるのだろうか?

「……」

曹操は寝返り、夏侯惇に背を向けた。

すると、曹操を抱く腕に力がこもり、体を引き戻される。

「何処へ行く?」

けだるい声で囁くと、夏侯惇は曹操の後頭部に口付ける。

「何処へも行かんよ」

曹操が答えると、夏侯惇は満足そうに息を吐いた。

そして項に口付ける。

曹操の身体を上から抱きしめる右腕が、肩から腰へ滑り、骨盤の縁を撫でる。
そして夏侯惇の唇が、項から首筋へと移動する。

背後から聞こえる息遣いの変化に気付き、曹操は慌てた。

「ちょっ、待て」
「どうした?」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ