殿の寝室
□不治の病(惇×操)※
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失職した時も、曹操を信じて励ましてくれた。
曹操の初陣には、自ら鍛練した兵をつれて来た。
集めた兵に逃げられたこともあった。
信頼した部下たちに裏切られたこともあった。
親友と敵対することもあった。
そんな時でも、夏侯惇は曹操を信じ、励まし、支え、裏切らなかった。
そして今も……
「何故……?」
曹操は呟いた。
何故彼は、そんなにも曹操を信じることが出来るのだろうか?
こんなにも長い間、変わらぬ愛を貫き通せるのだろうか?
「……」
曹操は寝返り、夏侯惇に背を向けた。
すると、曹操を抱く腕に力がこもり、体を引き戻される。
「何処へ行く?」
けだるい声で囁くと、夏侯惇は曹操の後頭部に口付ける。
「何処へも行かんよ」
曹操が答えると、夏侯惇は満足そうに息を吐いた。
そして項に口付ける。
曹操の身体を上から抱きしめる右腕が、肩から腰へ滑り、骨盤の縁を撫でる。
そして夏侯惇の唇が、項から首筋へと移動する。
背後から聞こえる息遣いの変化に気付き、曹操は慌てた。
「ちょっ、待て」
「どうした?」