変色果実
□じゅうろくナくこと…
1ページ/1ページ
「あれ…一騎、撮り終わったのか?」
「え、あ…ちょっと休憩総士は?」
スタジオの隅に一騎を発見して総士が話し掛けた途端、一騎は不自然な程に慌てだした。
「僕は今終わったところだが…」
「そっか…」
明らかに落胆した様子の一騎を不思議に思い、総士は尋ねてみた。
「どうかしたか?」
「や、別に総士の泣くシーンを見たくて来たわけじゃないからなっ…あ」
一騎は誤魔化そうとしたが、反対に墓穴を掘ってしまった。
その言葉を聞いた総士は怒るかと思われたが、にっこりと擬音が付くほどに微笑んだ。
「へぇ?まぁ泣くところを見せてもいいけど…その前に一騎の啼くところ見せてもらうからな」
「…へ?何かニュアンス違くないか?」
「さ、控え室にいこうか」
疑問符を浮かべる一騎を連れて控え室へと向かおうとする総士。
「お、俺、まだ撮りおわってないぞ?」
「10分くらいで終わらせるから支障ないよ」
一騎の抵抗も虚しく、控え室から上機嫌な総士と顔を赤らめた一騎が出てきたのはきっかり10分後だった。
▼後書き
大変だ…本編は24話を終えて最終回直前だというのにまだ16話だなんて;(12/20)明日から冬休みだから頑張って消化せねばですね〜