bleach短編

□桜の中で
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私が学院生だったとき桜並木を歩く三人を見送った。阿散井先輩、雛森先輩、そしてずっと憧れていた

吉良先輩

頭も良くてなんでもそつなくこなす
しかも、優しい。そんな姿に引かれて憧れて、いつのまにか好きに変わっていた。

ずっと遠くで見てきたけど、これからは違う

努力して三番隊に入る事ができた
三番隊で活躍して、吉良副隊長に顔を覚えてもらう!

三番隊隊舎の前で三番隊配属と書かれた紙を握り締める

「あ、あの!すみません〜誰かいますか?」

厚い扉は開かない
仕方なく門の前をうろうろしてようすを伺う

「君は……新入隊員の子かな?」

「へっ?」

いきなり後ろから声を掛けられて間抜けな声がでる。後ろを振り返るとき風が強く吹いた

近くの桜木の花びらが舞って目の前を彩る
まぶしいほどの金髪に、目の下のクマ

「吉良副隊長!!えっと新しく入隊させていただく事になりました冬野 小雪と申します!三番隊のために精一杯頑張るのでよろしくお願いします」

頭を勢い良く下げる
すると吉良副隊長の手が髪に触れた

「き、吉良副隊長!?」

「あ、あ!すまない、花びらが髪についていたから、女性に断りなく触るのは失礼だったね。」

「いえいえ!ありがとうございます」

きっと私の顔は真っ赤だろう
恥ずかしくてうつ向くと吉良副隊長が手を引く

「こっちだよ、下ばかり向いていると危ないからね。て、手を隊舎まで握っててもいいかな?」

「はいっ!」

大きくて暖かい手を軽く握る

まだ、副隊長と平の隊員の関係だけど

自分が席官になったら告白しよう

桜が咲き乱れる中見送ったあの背中を今は手を引かれ追いかけている、それだけで今までの努力が報われた気がした

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