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□紅茶
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「跡部様よ!」
「今日も朝から素敵ね〜…」
教室にいた女の子たちが窓へ集まる。
氷帝学園の王様、跡部景吾の通学時間らしい。
毎日、毎日、見飽きないものかね。
私はもう、見飽きたよ。
俺様、跡部景吾様にはね。
ていうか、同じクラスなんだから!
わざわざ窓から見る必要あんの???
ざわざわと、廊下が騒がしくなる。
跡部様ご着席の予感。
私は1時間目の授業である国語の教科書を机においた。
漢字テストがあるから、勉強勉強。
跡部様には構ってらんないよ、全く。
SHRまであと15分はある。
カバンの中からママ特製の紅茶が入った水筒を出す。
別に私の家は相当な金持ちではない。
プチ金持ちくらい。
お手伝いさんがずーっといるわけでもないし。
ママがお弁当も作ってくれるし。