sHorT

□紅茶
3ページ/8ページ





うるさい教室の隅っこのほうで私は紅茶を飲みながら勉強。

国語の先生こわいんだよねー。

教科書を見ながら手探りで水筒についてるコップを探す。

んー!やっぱり、おいし!

私はママの紅茶が大好きだ。

誰が入れたものより、ママのものが。

きっと、幼なじみの景吾様も好きなんだろうけど。

今やもう、雲の上の人。

私なんぞが関われる類の人間でなくなってしまった。

話すこともなければ、目が合うなんてとんでもない。

お互い、存在を認識している程度。

幼なじみだったのはきっと、1年生までのことだ。

さみしさは、ある。

かといって、近づける訳が無い。

無理なんだ、あんな人がたくさん集まっているところに私が行くなんて。

人間恐怖症とかじゃなく、行ったって話せない、触れない。

もう、別次元の人なんだ。

って、勉強だよ!

小テストってわかってんのになんでみんなは勉強しないのやら。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ