ひよまる's book!!!

□今、冬の星に向かう__。
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キーンコーンカーンコーン___

始業のチャイムが、学校中に鳴り響く。
その音は、中庭のベンチの上でうたた寝をしていた冬兎ケイの元にも届いた。

「っ!!?
やっベー! 寝過ごしたぁぁ!」

ケイは慌てて飛び起き、適当に制服を整える。ただやり方が雑なので、むしろ着崩しただけだったが…。


今日は雪々丘高校の入学式当日。
とはいってもケイは二年生なのだが、この学校は全校で行うことになっている。さらに入学式当日から、授業だって始まる。放課後は部活動見学、はやいと仮入部など、毎年とてもハードな一日になるのだ。

ケイが時計を仰ぐと、時刻は10:18。二時間目の授業の最中である。

実はこの日、ケイはある決心をしていた。
去年の入学式は遅刻したから、今年は必ず出席しよう!と。

「だから早く来たのに…
そのまま中庭で寝過ごしちまったよ」

そう笑いながら、戻った教室にいた担任教師に話す。
コワモテの担任も苦笑いを浮かべ、仕方ない奴だな、と呟く。

相変わらずのケイの性格にクラスの皆は慣れたようで、全員の苦笑いの中新学期が始まった。
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