小説

□それぞれの暁
1ページ/1ページ

起床時刻を知らせるべく、携帯のアラームが鳴り響く。
「うーん。もう朝か…」
赤毛の少年が小さな欠伸を1つした後、ベッドを降りた。

×××

5、4、3、2、1
「オッハヨ〜 龍ちゃん」
「おはよう。レミ」
ドタバタと廊下を走ってやって来た隣人兼幼なじみにPCの手を止め苦笑混じりに挨拶を返した。
「ああ〜 また徹夜したな〜」
「今日は入学式だけだからなんとかなるって」
「式の途中で寝るに1万円」
ニコニコと笑う青年に少女は冷たい目を向けた。

×××

携帯のアラームも目覚まし時計のけたたましいベルもとっくの昔に鳴り終わった頃、少女はスヤスヤと規則正しい寝息をたてていた。
「ミミちゃ〜ん。もう起きないと入学式遅れるわよ〜」
母親の声がドアの向こうから聞こえ少女はようやく目を覚ました。
「入学式‥ きゃ── もうこんな時間じゃない。シャワー浴びて、髪セットしなきゃ。うわっ!?」
慌ててベッドから飛び降りた少女は部屋の中で何かにぶつかり額を強く打ち付けた。
「もうやだ〜」
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ