盲目なシナリオ

□第00章【夢】
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ーーー夢を見た。それはずっと昔に見たことがある内容で、時が流れ、歳を重ねるごとに記憶とゆうメモリにも忘れ去られてしまっていた程の昔の夢。ああ、なんて懐かしいのだろう。現代では見慣れない自然豊かな場所で、子供達がはしゃぎ走り回っている夢。もちろん見たこともない子供達と自然豊かな場所は私の脳が作り出した幻想であり、存在していないのだが、本当にその子達が酸素を吸い二酸化炭素を吐き出し心臓の脈を打っていて、そこに存在しているのだと感じてしまう。夢と現実の区別があやふやになるくらい仕事の疲れが溜まっているのだろうか。

その光景をぼんやり眺めてどれほどの時間が過ぎたのだろう。次第に歪んでゆく目の前の光景に、もうすぐ眼が覚めるのか。だなんて、薄れる意識の中で思った時、私まで泣いてしまいそうなくらい悲しそうな声が聞こえた気がした




( 知らない 夢の中の キミ )

( どうして 泣いているの )

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