番外編

□俺様流レシピ
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「という訳で今日のディナーは名無しさんちゃんが作る事になったからあなた達はこの時間ゆっくりしていて大丈夫だから」


次の日の夕飯時、名無しさんを連れ立って厨房へとやってきた景子のこの言葉に料理人達は目を見開きながら二人を見つめた。


「し…しかし奥様、名無しさん様お一人で作らせる訳には…」


『大丈夫ですよ。キッチンをグチャグチャにはしませんから』


「も…申し訳ありません!決してそのような意味で言った訳では…」


『ふふ、分かってますよ。それにたまにはいつもお忙しい皆さんなんですから休める時に休んで欲しいですし今日の所は私に任せては貰えないでしょうか?』


名無しさんが眉をハの字にさせながら微笑み掛けると料理人達はその笑顔に見とれながらもコクリと頷いた。


「そこまで言って下さるならお言葉に甘えさせて頂きます…けれど私共が何かお手伝い出来る事はありませんか?」


『ん〜、そうですね…皆さんが出来るお手伝いはとにかく今日はゆっくりと休んで欲しいっていう事だけです』


「名無しさん様…」


料理人達は名無しさんのこの言葉と笑顔に感動の涙を目に浮かべながら顔を赤く染めた。


「名無しさんちゃんってば…あんまり誘惑し過ぎると景吾に怒られちゃうわよ?」


『誘惑?私は別に誘惑なんてしてませんよ』


「…景吾、あなたの苦労良く分かった気がする。何この天然は」


『はい?』


「なっ…何でもないから気にしないでちょうだい。さあ、あなた達も各々ゆっくりとしてなさいな」


景子のこの一言に料理人達は名無しさんと景子にお辞儀をしながら厨房を後にし景子は名無しさんににこりと微笑み掛けた。


「それじゃあ後は任せたわね。楽しみにしてるから」


『はい。ご期待に添えるように頑張ります!』


「ふふ、それじゃあ何かあったら呼んでちょうだいね」


名無しさんに手を振りながら景子も厨房を後にし名無しさんはそれを見送り腕の袖を捲り上げる。


『よし!作るからには頑張らなきゃね』




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