deep sleep

□泣き顔が好き
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それから名無しさん達は遊園地をたっぷりと堪能し次に何処へ行こうかと相談していると目の前におどろおどろしい雰囲気の建物があったのでメンバー達はピタリと立ち止まった。


「これってもしかしてあの有名なお化け屋敷じゃねぇか?」


『おっ…お化け屋敷…?』


「面白そうだC!ねっ、次はここ入ろうよ」


『待ってよジロちゃん!私がそういうの駄目だって知ってるでしょ?!』


「あはは、可愛いなぁ名無しさん先輩は。俺が付いてるんですから大丈夫ですよ」


「俺がじゃなくて俺達がだろ。激ダサだぜ」


「なあ名無しさん。大丈夫やから入ろうや。めっちゃこわなったら俺にしがみついてくれてもかまへんから、な?」


「それが一番大丈夫じゃないですよ」


「入…りましょう…名無しさん…さん」


『でも…』


メンバー達がにんまりと笑いながら名無しさんにそう詰め寄っているとそれを見かねた跡部が名無しさんの前にすっと立った。


「いい加減にしろ。こいつがめちゃくちゃ怖がりだって知ってんだろ?無理強いしてんじゃねぇよ馬鹿共が」


『景吾…』


「ほ〜う。そない事言って実は跡部が怖いんちゃう?」


「なに…?」


「クソクソ跡部!男の癖にビビってんじゃねぇよ」


「おい待て。誰が怖がりでビビりだって?」


「跡部さんの他に誰がいるんです?」


「だっさいC!」


「ああ、激ダサだな」


眉をピクリと動かし跡部はメンバー達を睨み付けた。


「いいだろう。入ってやろうじゃねぇか」


『ちょっと景吾!』


「名無しさん」


跡部は名無しさんの手を取り甲にキスを落とした後口端を上げた。


「わりぃな名無しさん。付き合って貰うぜ」


『え…で…でも…』


「心配すんな。俺様がずっとこの手握り締めててやる。何があっても離さねぇから安心しろ」


『…うん。そこまで言ってくれるなら頑張ってみる』


「いい子だ」


ふっと微笑み名無しさんの頭を撫でた後跡部は腕を高々と上げパチンと指を鳴らした。


「付いてこい野郎共。そして俺様の勇敢な姿に酔いな」



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