彼女の愛で方

□Lesson3
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「ふふ、そう。それは大変だったね」


『笑い事じゃないよ周ちゃん...』


学校の帰り道ミーティングでの出来事を深刻そうに話していた名無しだったがそれとは裏腹に不二はクスクスと笑いながら名無しの話を聞いていた。


「ああ、ごめんね名無し。そんなに怒らないでよ」


『怒ってないよ』


「ふふ、そう?でもさ、聖ルドルフには裕太が居るんだから考えようによっては良かったんじゃないかな」


『えっ...裕ちゃんってルドルフなの?!』


「そうだよ。僕言ってなかったっけ」


『聞いてないよっ。そっかぁ...裕ちゃんに会えると思えば憂鬱さも半減するかな』


嬉しそうに微笑む名無しを不二も微笑みながら見下ろし名無しの手をきつく握り直した。


『周ちゃん?』


「ねえ名無し。レッスンしてあげようか」


『え』


「少しでも名無しが怖がらないで居られるように僕がそれを和らげてあげる」


名無しの手を持ち上げそこに唇を寄せ不二が熱っぽい視線で名無しを見据えると名無しはそれに恥ずかしそうにコクリと頷いた。


「決まりだね。それじゃあ今日はこのまま僕の家においで」


『う...うん』


「ふふ、今日はどうやって愛でてあげようかな」


楽しそうにそう呟きながら不二は名無しの手を引き家に向かって歩き出した。


「ただいま」


『ただいま叔母さん。それからお邪魔しまぁす』


「あら周助お帰りなさい。それから名無しちゃんもいらっしゃい」


「母さん。僕達試験に向けて勉強するから暫く部屋に来ないでね」


「ふふ、はいはい。それじゃあ飲み物用意するからそれだけ持っていきなさい。それから夕飯になったら呼ぶからきちんと来るのよ?」


「うん、ありがとう」


不二は名無しを先に部屋に向かわせ淑子から飲み物を受け取ると名無しが待つ自室へ向かった。


「お待たせ名無し」


『ううん、大丈夫』


「なに見てるの?」


『サボテン見てたの。周ちゃん相変わらずサボテン好きなんだね』


「うん、大好きだよ。でも」


不二は飲み物をテーブルの上に置いた後名無しを後ろから抱き締めうなじにキスを落とした。


『しゅっ...周ちゃん?!』


「でもね、サボテンより僕は名無しの方が大好きだけどね」


『あ...あの...私もその...』


「クスッ...恥ずかしいなら無理に言わなくてもいいよ。ねえ名無し、こっち向いて?」


『う...うん』


名無しが体を反転させ頬を赤く染めながら不二を見上げると不二は名無しの顎に手を添え顔を思い切り近付けた。





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