彼女の愛で方
□Lesson7
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「それでは練習を始める!」
「「「はい!」」」
手塚の号令により部員達は練習を始め名無しは前日に洗いきれなかったタオルを洗う為洗濯場へと向かっていった。
『今から洗って干しておけば放課後までには乾いてるよね』
タオルを洗濯機の中へ入れ洗剤を入れようと洗剤を手に取ると中身がもう空のようで名無しはそれをゴミ箱に捨て部室へ向かっていった。
『まだ買い置きあるかな...なかったら放課後買いに行かなきゃだよね』
そう小さく呟きながら部室へ入ると丁度菊丸が椅子に座り怪我の手当てをしていたので名無しは慌てて駆け寄った。
『だだ...大丈夫ですか菊丸先輩!』
「あ〜、名無しちゃん。うん大丈夫大丈夫。転んでちょっと擦りむいただけだし」
『そ...そんな手当てじゃ駄目ですよ。貸して下さい』
「あ」
菊丸の手から奪うように救急セットを取った名無しは床に跪き消毒液を脱脂綿に吸い込ませてからそれを菊丸の膝にあてた。
「しっ...滲みるにゃあ!」
『我慢して下さい。こうしてきちんと消毒しておかないとバイ菌が入ってもっと酷くなったりするんですよ?』
「ううっ...」
『...それにしても痛そうですね。全然かすり傷じゃないじゃないですか』
「これ位の傷はどってことないにゃ」
『私だったらきっと大泣きしてる所です...』
「プッ...俺は男なんだからこんな事位で大泣きなんてしないよ」
ケラケラと笑いながら菊丸が名無しを見下ろすと名無しが自分を目を丸くしながら見据えていたので菊丸は思わず鼓動を高鳴らせてしまった。
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