彼女の愛で方
□Lesson11
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『…助けて周ちゃん』
「全くもう…そんな格好してくるからいけないんだよ」
不二が呆れたような溜め息を吐き出すと水着に着替えた竜崎がやってきたので両校部員達は別の意味で目を見開かせてしまった。
「りゅ…竜崎先生…」
「なんだい?」
「そそ…その格好は…」
「水着に決まってるじゃないか。どうだい?まだまだいけると思わんか」
竜崎がポーズを決めながらウインクしてみせると一斉に固まってしまいそれに気を良くした竜崎は笑い声を上げた。
「あっはっは!お前さん達さてはあたしの魅力にやられたね?だが生憎あたしは年下に興味はないんだ。残念だったね」
「おっ…おばあちゃんってばもう止めてよ〜!」
「は…はは。青学の顧問の先生は面白ぇな」
「…老婆が水に飛び込んだ。ばっちゃん(婆ちゃん)」
「くっ…ツッコミてぇ所だが今だけは勘弁してやるよダビデ」
「さっ…さて!何からしましょうかね」
「そ…そうだね。それじゃあビーチフラッグやろうか?」
「い…いいっすね!とりあえず何でもいいからこの場を離れましょうっ」
ポージングを決める竜崎から逃げるように部員達は別の場所に移動しビーチフラッグで使う旗を砂に差し込んだ。
「うっし。これでいいだろう」
「チームはどうするんすか?」
「そうだな…折角だし六角と青学混ぜてやるか」
「うん、いいね。たまにはそういうのも楽しいだろうし」
「僕もタカさんに賛成。どう決めようか」
『グーっとパーは?』
「ふむ、それはいいアイディアだ名無し。ならばまずは青学は青学、六角は六角でグーパーとしてグーのチームとパーのチームに別れればいいんじゃないか?」
「なんとなく…なんとなくだけどパーのチームにはなりたくないにゃ〜!」
「俺も同感だ。それでは聞こえが悪いからな」
「フシュゥゥ…ならパーじゃなくてチョキにすりゃいいんじゃないすか?」
海堂のその一声にはっとした部員達は一斉に海堂に視線を向けた。
「たまには役立つじゃねぇかマムシ!」
「マムシと呼ぶんじゃねぇ!つうか馴れ馴れしく肩に腕回すなっ」
「はは、青学は本当に元気がいいなぁ。それじゃあ早速やろうか」
「「「賛成〜!」」」
青学と六角は学校ごとに別れグーチームとチョキチームを決め各チームに別れた。
「お〜!名無しさんも一緒かよ」
『よ…よろしくお願いしますバネさん』
「ちょっとちょっと〜!俺達も居る事忘れないで欲しいにゃ〜!!」
「忘れてねぇよ!よろしくなお前ら」
「ああ、よろしく頼む」
「クスッ…名無しとチーム別れちゃって残念だけど負けないからね」
『ふふ、私だって負けないんだから』
「そんじゃさっき決めた順番通り最初の奴前に出てこいな」
「へへ、任せて下さいよ!」
「フシュゥゥ…負けねぇぞ桃城」
桃城と海堂は視線を合わせバチバチと火花を散らしながら睨み合い黒羽の掛け声と共に走り出した。
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