番外編

□華麗なる高杉様の1日
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『あの…晋助?』

「なんだ」

『何で私押し倒されてるの?』

「ヤるからに決まってんだろ」

『えっ…!や、やだ!』

「ふざけんな。こっちはさっきからどうしようもなく欲情しちまってんだよ。そもそもお前があんな熱烈な告白してきたのがわりぃんだろが」

『な…何よそれ』

「俺を殺すのも殺していいのも自分だけなんて最高の愛の告白じゃねえか。俺にとってその言葉は特別な言葉だかんな」

『そっ…それはほら…晋助がよく言ってるから移っちゃったっていうか』

「照れんじゃねえよ。それに折角男装してる事だしこのまま何もしねえなんざ勿体ねえ事この上ねえからな」

『そっちの気はないって言ったじゃない!』

「馬鹿かお前は。外見は野郎でも中身が女なら話は別だ。さて、助けて貰った礼をたっぷりしてやるから俺を退屈させんなよ名無し子」

『やっ…お礼なんかいらないわよ!』



高杉晋助の1日。
まとめるとどうやら私、吉田名無し子という女の事を1日中考えて行動しているらしい。
あ、そうそうこれは後で鬼兵隊の皆や紫水さんから聞いた話なんだけど晋助は目が覚めた時に私が居ないとすこぶる機嫌が悪いらしく私が帰るまで武市さんにあたっているらしい。
何故に武市さんなのかは皆分からないっていうけど多分あの人は変態だからかな、なんて思ったり。

それから紫水さんが言うには口を開く度に名無し子が名無し子がとだらしない顔付きであの高杉晋助が私の事を話すので本当にこの人はあの高杉晋助?と疑ってしまうらしい。全く…自分が鬼兵隊隊長だって事忘れてるんじゃないかな晋助は。そんな事言われてどうするのって感じです。

一番笑ってしまったのは私が仕事が終わって拠地に帰る時間が近付いてくると部屋から玄関をずっと行ったり来たりして待っていてくれているらしい。
見かねた武市さんが外でお酒を呑んでいれば私が帰ってきたのが分かるしいいのでは?と提案してくれたみたい。
成る程…通りで最近外で呑んでる事が多くなった訳だ。それで納得したかも。

とまあ長くはなってしまったけれどこれが吉田名無し子…いいえ、密偵名無し子が掴んだ高杉晋助の1日の情報でした。


               おわり






「華麗なる高杉様の1日」










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