番外編

□乾のデータ記録物語
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「ねえ乾。今日1日で名無しさんのデータは取れたかい?」

「なっ…何故その事を知っているんだ」

「ふふ、やだな。僕は名無しさんをいつも見ているんだから分かるに決まってるでしょ?というかあんなにあからさまに名無しさんのあとつけてたら誰だって分かると思うんだけど」

「そ…そうだったのか…」

「名無しさんのデータを勝手に取って貰っちゃ困るよ乾。今回は許してあげるけど次に僕の許可なく名無しさんのデータ取ったりしたら…分かるよね」

不二のその得体の知れない恐ろしいものに俺は身を震わせてしまいながらそれに勢い良くコクコクと頷いてみせた。

「分かったのならいいよ。それじゃあね」

名無しさんを連れその場を去って行く不二の背中を見据えながら俺は詰まっていた息を吐き出しパラパラとデータノートを広げた。

「…とりあえず今日の分のデータを纏めるか」

俺は適当な場所に腰を下ろし今日1日分のデータを見ながら名無しさんのデータを纏めていった。

名無し名無しさん情報(追記)
・一見おどおどして何も言わなさそうに見えて言う時はびしりと言うがその一言は俺達部員を落ち込ませるには十分な程の威力を持っている。

・名無しさんが行く所行く所には必ず誰かが現れる。(というより各校の部長達が主にだが…)

・ゴ○ブリホイホイならぬ部員ホイホイな女子だ。(いや、むしろ部員達が雌蝶のフェロモンで寄ってきたそれに群がる雄蝶のようだとこの場合は言った方がいいかもしれない)

・何よりもその人のキャラを崩す事に長けているある意味恐ろしい女子である。

「ふむ…今日取れたデータはこれだけか。まあいい。合宿も残りわずかだがまだまだチャンスはあるし次はきちんと不二の許可を取ってからデータを取る事にしよう」

なに?
不二の許可なんてなくたっていいとお前は言うのか。
お前は何も分かっていないな。
不二のあの恐ろしい程の笑みを実際目の前にしていないからそんな事を言えるんだ。
俺も命は惜しいし今回許して貰ったのは本当に運が良かったとしか言いようがない位なんだぞ。
まあいい。
今日はこれで俺のデータ集めは終わりだが次回はもっと凄いデータをお前に見せてやるから楽しみにしておいてくれ。
ではな。





「乾のデータ記録物語」


end



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