deep sleep
□俺恋物語
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「君可愛いね!俺とデートしない?」
俺の趣味は女の子観賞と女の子をナンパする事。
チャラいだって?
はは、褒め言葉ありがとう。
だって女の子ってめちゃくちゃ可愛いし逆に声掛けなきゃ失礼だと思わない?
俺は少なくともこれでいいと思ってる。だって一人の女の子に夢中になるなんてあり得ない事だし適当でいいんだよ、適当で。
なんて思ってたのにこんな俺にも最近気になる女の子が出来たんだ。
その子は俺の周りには居ないとても真面目で静かな女の子
「名無しさんちゃん今日も可愛いね」
『千石君』
「ね、今日こそ俺とデートしよう?」
『…いや』
「え〜…また今日もお断りなの?俺の何がそんなに嫌なの」
これは日常会話。
図書室でいつも遅くまで本に夢中になっている名無しさんちゃんを部活が終わった後こうして誘うのが日課になっているけど一度としてはいと返事をしてもらった事がないんだよね
『何がって…普通何も知らない人の誘いにのる人なんていないでしょ?』
「あっ、酷いなぁ名無しさんちゃん。何も知らないなんてそんな寂しい事言わないでよ」
『本当の事でしょ?私は千石君の名前以外何も知らないし』
「でも俺の名前は覚えてくれたでしょ?それだけで充分俺の事知った事になってるじゃない」
『そのポジティブな考え方たまに羨ましいよ、本当に』
「はは、名無しさんちゃんに羨ましがられた俺ってラッキー!」
『全く…本当にポジティブな人』
そう言いながら少しだけ笑ってくれた名無しさんちゃんに俺は胸の鼓動が高鳴るのを感じながらその顔を見つめた。
ああ…可愛いな
滅多に見せない笑顔だけど
俺はこの笑顔でやられちゃったんだよね
『…そんなに見つめられると困るんだけど』
「ごめんごめん。だって名無しさんちゃんがすっごく可愛い笑顔見せてくれちゃうからさ」
俺がにこりと微笑みながらそう告げると名無しさんちゃんは頬を少しだけ赤くしながら俺から視線を逸らした。
あっ、照れた。
そんな顔もかぁわいいなぁ
少しだけ触りたいかも
俺が腕を伸ばし名無しさんちゃんの頬に触れようとするとそれに気付いた名無しさんちゃんは俺の手を軽くあしらい俺を睨んできた。
ありゃ、やっぱり触るのはまだ駄目だったかな…
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