deep sleep

□俺様のプレゼント
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「いらっしゃいませ名無しさん様」


『こんにちはミカエルさん。あの、跡部君は…』


「坊ちゃまはお部屋でお待ちですよ。さあ、こちらへどうぞ」

 
慣れた仕草でミカエルは名無しさんの少し手前を歩きながらにこりと微笑んだ。


「名無しさん様」


『あ、はい。何ですか?』


「今日は名無しさん様のお誕生日だと景吾坊ちゃまから聞いております。お誕生日おめでとうございます」


『ありがとうございますミカエルさん!』


「とんでもございません。坊ちゃまの恋人であらせられる名無しさん様にお祝いの言葉を贈らせて頂くのは当然の事ですから」   


そう名無しさんに告げた後ミカエルは足を止め目の前の扉をノックした。


「坊ちゃま。名無しさん様をお連れしました」


「ああ。入れ」

 
跡部の了承を得たミカエルは扉を開けようとノブに手を掛けたが一瞬動きを止め名無しさんに微笑み掛けながら少しだけ小さな声で話し出した。


「名無しさん様。景吾坊ちゃまは名無しさん様の為に1ヶ月も前から今日この日の為に試行錯誤しながら準備されていたんですよ」 


『そうなんですか?!』


「ええ。なので景吾坊ちゃまのお心が名無しさん様に伝わってくれる事を私は願っております」


『ミカエルさん…』


「ちなみに私がこのような事を話した事坊ちゃまには内緒にしておいて頂けないでしょうか」
  

『ふふ、勿論ですよ』


ミカエルはにこりと笑った後扉を開き名無しさんを部屋の中に入るよう促した。  


『わぁっ!凄い』


「よお名無しさん。よく来たな」  

『跡部君これ…』
 

跡部の部屋はバルーンやその他の装飾で一杯になっており名無しさんは驚きのあまり目を見開いてしまった。

 
「ハッ…気に入ったかよ」
  

『うん!凄く気に入った。ありがとう跡部君』


名無しさんがにこりと跡部にそう微笑み掛けると跡部は頬を赤く染めふいっとそっぽを向いてしまった。   

「こんな幼稚な飾り付けでそんなに喜んでんじゃねぇよガキ」


『…プッ』


「おい。何笑ってやがる」


『あはは!なんでもない。ただ跡部君って本当に素直じゃないなぁと思って』


「あーん?何の話しだよ」


『何でもないってば。それより二人だけなのに料理の量凄いね…食べきれるかな』


「こんなん普通だろ。それにお前にかかったらこん位の量ペロリと平らげられんだろ」


からかうように笑う跡部に名無しさんは少しだけムッとしたもののふっと口元を綻ばせた。


「なんだよ。随分機嫌がいいじゃねぇの」


『当たり前でしょ?折角の誕生日なのに怒りたくないし』


「クックッ…そうかよ」


『ねえ、早く食べよう?私今朝ご飯抜いてきたからお腹ぺこぺこだよ』


「そうだな。ならそこに座ってろよ」




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