deep sleep

□泣き顔が好き
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「名無しさん」


『んっ…』


「おい起きろ名無しさん。着いたぜ」


車の揺れの気持ちよさにいつの間にか寝てしまっていた名無しさんは跡部によって起こされ寝ぼけ眼で跡部をじっと見つめた。


『ふぁっ…あれ?私寝てた?』


「ああ。大口開けて涎垂らしながら寝こけてたぜ」


『嘘っ!』


「お前な。女の癖に男の前でだらしねぇ顔晒してんじゃねぇよ」


『ごっ…ごめん』


名無しさんは慌ててバックから鏡を取り出し顔と髪の毛のチェックをしていると跡部は笑いを堪えるのを我慢出来ず吹き出してしまった。


「ククッ…嘘に決まってんだろ」


『な…もっ…景吾?!』


「折角の誕生日に怒んじゃねぇよ名無しさん」


『誰が怒らせてると思ってるのよ』


怒る名無しさんを見て跡部は更に喉を鳴らしながら笑い名無しさんの頬にキスを落とした。


「まあ俺様は例えお前が涎垂らしながら寝こけててもだらしねぇ顔晒しててもそういうの全部ひっくるめてお前の事可愛いと思ってやってんだから感謝しろよ」


『何で上から目線?』


「あーん?俺様が下から目線してどうすんだよ。それに下から見上げんのはお前の役割だぜ名無しさん」


『あのね…すぐそうやって下ネタに持ってくの止めてくれないかな』


「嫌いじゃねぇ癖によく言うぜ」


『嫌いだし』


「ほう。なら聞くが下ネタ嫌いな奴が何で俺様とセックスする時あんあんよがってんだよ」


『なっ…景吾下品だよ!』


「どこが下品なんだ。お前とヤる時はお上品に食べてやってんじゃねぇか」


『誰もそんな話ししてないよ!』


名無しさんが顔を真っ赤にして怒っていると跡部の携帯の着信音が鳴り響き跡部は通話ボタンを押し携帯を耳にあてた。


「着いたのか?ああ、俺様達ももう着いてる。すぐ行くから待ってろ」


『誰から?』


「宍戸だ。奴らも全員着いたらしいから俺様達も行くぞ」


『うん!』


先程の怒りも忘れ車を下りた名無しさんはにこにこと微笑みながら跡部と共に遊園地のゲートへ向かっていった。



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