web拍手お礼

□危ないStudy
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『「あ」』


駅前の本屋で暇を潰していた名無しは気になる本を見つけそこに手を伸ばしたが別の客もそれを手に取ろうとしたのか手が触れ合ってしまい慌てて手を引っ込めた。


『ごめんなさい』


「や、俺こそすまんかった…って名無しやん」


『え?あ、侑士君』


「こら珍しいなぁ。こないとこで姫さんに会うなんて。もしかして名無しも休日もて余してるん?」


『違う違う。仁王君がね、勉強教えてくれるって言ってくれて駅で待ち合わせしてるんだ』


「仁王?仁王って立海の仁王か?」


『うん、そう。わざわざ神奈川からこっちに来て勉強教えてくれるなんて優しいよね仁王君は』


そう呑気に笑う名無しに忍足は眉を潜めながら溜め息を吐き出し恨めしそうに名無しを見据えた。


「勉強やったら俺が教えてやるていつも言うとるのに何で仁王に頼むん?お前は俺らのマネで俺は部員なんやしいつでも教えてやれんのにわざわざ仁王に頼む意味分からんわ」


『え…でも侑士君ちょっと厳しいから…』


「俺がいつ厳しくしたんや。あれ程優しい教え方しとんのに心外やわ」


『心外って…あ、ごめん。ちょっと電話』


忍足に断りを入れた名無しは携帯を耳にあて満面の笑顔を浮かべながら電話相手と話し、それを黙って見ていた忍足は面白くないといわんばかりの表情を浮かべていた。


『仁王君着いたみたいだから私もう行くね』


「待ちや」


『どうかした?』


「それ…その勉強会俺も参加させて貰うわ」


『え』


「やってそうやろ?あの仁王と二人きりでなんていさせられるかいな」


『…仁王君は凄くいい人だよ?』


「はっぁぁぁ〜…分かっとらんなぁ名無しは。あいつはぺてん師なんやからいい人っぽく見せるのなんてお得意中の得意なんやっていつんなったら分かるんや。ボケてんのも大概にせえや」


『ボケてないし…』


「まあええ。とりあえず行こか」


『あっ…ちょ…侑士君?!』


名無しの返事を聞く前に忍足は名無しの腕を掴み歩き始めそんな忍足を名無しは困ったような表情を浮かべながら見据えていた。







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