彼女の愛で方

□Lesson7
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「おっはようにゃ〜、名無しちゃんと不二!」


『おっ...おはようございます菊丸先輩』


「おはよう英二。それから大石もおはよう」


「ああ、おはよう不二。それから名無しさんも」


学校の校門に差し掛かった所で菊丸に声を掛けられた二人は笑みを浮かべ挨拶をし返した。


「ねえ名無しちゃん」


『は、はい』


「そろそろ俺達に慣れてきてくれたかにゃ?」


『あ...えと、はい。多少は...』


「そっかそっか!それは良かったにゃ」


菊丸は満足気に頷きながら名無しの頭を撫でにっと微笑んだ。


「じゃあ慣れてきたついでに俺の事も菊丸先輩じゃなくて英二先輩って呼んで欲しいにゃ〜」


『ええ?!そ...それはまた高度な...』


「こら英二。名無しさんを困らせるような事を言うな」


「ふふ、いいんじゃない?僕としても皆と名無しが仲良くなっていってくれるのは嬉しい事だし」


『周ちゃん...』


「ほら、そんな顔しないの。皆と仲良くするって事は人見知りも克服出来るって事なんだから頑張ってみようよ名無し」


『う...うん』


不安気な表情をする名無しの頭を撫でながら不二は安心させるように笑みを浮かべてみせた。


「それにしても不二と名無しさんは本当に仲が良いんだな。昔からそうなのかい?」


「うん。名無しはね、産まれた時から僕と一緒にいるからもう僕の半身って感じなんだよね。まあ途中で離れちゃったけどさ」


「ほえ〜...それはそれで凄いにゃ」


「ふふ、でしょ?だから僕は名無しが可愛くて可愛くてしょうがないしついつい甘やかしちゃうんだよね」


「はは、まあ不二の気持ちも分からないでもないな。俺だってこんなに可愛らしい妹やいとこがいたらそうなりそうだしな」


「クスッ...勿論それだけの理由で可愛がってる訳じゃないんだけどさ」


不二から意味深に見つめられた名無しはその視線に気付いたのか照れのあまり顔を俯けさせてしまった。






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