蜜より甘く

□scene4
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『んっ…』

寝返りを打とうとした名無し子だったがどうにも体が重く違和感を感じたのでまだ眠りたい気持ちを堪えうっすらと目を開けた瞬間鼓動を高鳴らせてしまった。

『しっ…晋助…』

自分の横には高杉が静かに寝息を立てて眠っていたので名無し子はその顔を見つめながら暫く考え込んでしまった。
確か昨夜は自分が買ってきたお酒をこの男と呑んでいて、それから少しだけ酔っ払ってしまい膝に寝転んで…
それを思い出してしまった名無し子は一気に顔を赤くしてしまった。
昨夜自分は横で眠る高杉に抱かれたのだと鮮明にその光景が頭の中に過りぶんぶんと首を横に振るった。

『わっ…私なんて事…え、ていうか晋助とし…しちゃったとか嘘でしょ…?』

ちらりと名無し子が高杉の顔を見やるとまだ起きる様子もないのでとにかくこの赤い顔と頭を冷やさなければと思い高杉を起こさないようにそっと立ち上がり名無し子は部屋に備え付けられている風呂場に入っていった。

『あ〜…気持ちいい』

シャワーから出る程よい温度のお湯を頭から浴びながら名無し子は昨夜の出来事を思い出していた。
そもそも高杉はどうして自分の事を抱いたのだろうか。もしや酔っ払った勢いでとか…いや、それはない。あの男はザルでいくら呑んでも酔わないという事は自分がよく知っている。それでは何故? 
目を閉じそんな事を深く考えていた名無し子だったがふと人の気配が感じられたのでシャワーの湯を止めた。

『…誰?』

「誰って俺しかいねえに決まってんだろ」

『ししっ…晋助?!』

「入るぞ」

『えっ…だだ…駄目!入らないでっ』

名無し子がドアを押さえ付けるより早く高杉が先にドアを開けてしまったので名無し子は咄嗟に自分の腕で体を隠し頬を赤くしたまま高杉を睨み付けた。

『出てってよ!』

「つれねえ事言うなよ。昨日あんなに激しくした仲だろ?」

『なっ…なな…』

「それに1人で風呂に入っちまうなんて冷てえ事するんじゃねえよ」

『お…お風呂は1人で入るものでしょ?!』

「クックッ…そう威嚇すんなよ。何もとって食いはしねえし俺はただ親切心でお前を洗いにきてやっただけなんだからな」

面白いといった風に笑いながら風呂場に入ってきた高杉はシャワーを手に取り湯を出すとそれを遠慮無しに名無し子の頭から思い切りかけた。

『ちょっ…冷たい!』

「その内あったまってくんだろ」

『シャワーこっちに向けないでったら!』

「きんきん騒ぐな。煩えんだよ」

高杉は石鹸を手に取りそれを満遍なく手の平に付けると名無し子の胸を包み込み揉むように丁寧に洗い始め、その感覚に名無し子は反応させたくもないのに体をいちいち反応させてしまいいつの間にか高杉を楽しませてしまっていた。




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