番外編

□俺達だって守ってます
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これは過保護な三人以外で密かに過保護な三人の名無しさんがまだ立海に通っている時のお話し。


「ばっ…名無しさん!」


『え?あっ…』


部室からタオルを持ちながらテニスコートに駆け寄ってくる名無しさんの足元にボールが転がっている事に気付いた丸井は慌てて名無しさんにそう声を掛けたが時既に遅しで名無しさんは転んでしまった。


『いたっ…』


「おい名無しさん大丈夫かよい!?」


『だっ…大丈夫大丈夫!ぶんちゃんありがとう』


名無しさんが痛さを堪え心配かけさせまいと笑顔を見せると丸井はムッとした顔で名無しさんを見つめた。


「嘘吐けよい!血出てんじゃねぇか」


『嘘なんか吐いてないよ』


「全くお前は…いつも強がんなって言ってるだろい?」


丸井は名無しさんを軽々と持ち上げベンチまで歩いていく。


『ちょっ…ちょっとぶんちゃん下ろしてよ〜!』


「なんじゃ騒がしいのぉ。ってブン太お前さん何やっとるんじゃ」


「どうしました仁王君」


「柳生。真田と幸村が居ないからってブン太が名無しさんに破廉恥な事しようとしちょるんじゃ」


「なっ…ま…丸井君!あなたという人は何て事をっ」


「勝手な事言ってんなよい!名無しさんが怪我したからベンチに運んでやってるだけだぜいっ」


「「怪我?!」」


怪我という言葉を聞き仁王と柳生は目を見開き横抱きにされている名無しさんにばっと視線を移した。


「名っ…名無しさんさんその怪我は?!」


「血が出ちょるぜよ。どうしたナリ」


『あの…実はさっき…』


名無しさんが顔を俯かせながら言いにくそうにしている様子を見て仁王と柳生は顔を見合わせ頷き合った。


「どこの誰が名無しさんの事襲ったんか知らんが俺の名無しさんを怪我させるなんていい度胸しちょるぜよ」


「全くです。紳士な私がこのような事を言うのはいけませんがそんな下衆野郎には制裁を与えなければなりませんね」


「おっおいお前ら…」


「なんです?私達の大事な大事な名無しさんさんが怪我をさせられたのにあなたはそれを黙って見過ごせと言うんですか」


「だからそうじゃなくてよい」


「…まさかブン太お前さんが名無しさんに怪我させたんか」


「ち…ちがっ…話しを黙って聞けよい!」


「「問答無用(じゃ)です」」


じりじりと丸井に近寄る二人に慌てて名無しさんが両手をぶんぶんと振りながらそれを否定した。


『違うよにおと比呂!私が勝手に転んで怪我しちゃっただけだよっ』


「なんじゃそうじゃったんか。てっきり俺はお前さんの可愛いさに等々我慢出来なくなったブン太に襲われかけたのかと思ったナリ」


「命拾いしましたね丸井君」


「ちょっと待てよい。なんでいつの間にか俺が名無しさんを襲った事になってんだよい。納得いかねぇ」


「さあ名無しさんさん。早く手当てしてしまいましょうか」


「ばい菌が入ったら大変じゃからな」


丸井から名無しさんを奪うように柳生が名無しさんを抱き直すと三人はさっさとベンチに向かっていってしまった。


「俺に謝罪の言葉はないのかよい。つうかあいつら普段から俺の事どんな目で見てるんだよい…」



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