星の中の君

□ーCold Nightー3
1ページ/1ページ




その場にいるのが気まずくなり部屋から急いで出た





愛おしいと
ほんの一瞬でも思ってしまった





「バカ…」







きっとデビューを控えて情緒不安定になってるんだ








ードンッー








肩がぶつかり前を見ると





「ヒョン〜前見て歩いてください〜!ㅋㅋㅋ」




ホンビンがクスクスと笑っている





「ごめん…ちょっと考え事してて」







「何考えてたんですかぁ〜??
あっ!分かった!」






嬉しそうにキッチンの鍋指を指す







「な、何?」






「晩ご飯のコト考えてたでしょ!」






「はぁ…鍋の中にあるスープなら温め直して食べてていいよ」



「ほんとッ!!ヒョンありがとう〜!」



泣きマネをしながら愛嬌を振る舞う





はぁ…
全く埒が明かない…









外の空気を吸いたくて街に出た





練習生の俺を知る人いない





フードを深く被り歩く姿が
ショーウィンドウに映る




自分はこれからアイドルとしてやっていけるのかな?







ふとホンビンの話を思い出した…





元々ホンビンはアイドルになりたかった訳じゃない






俺だってそうだ。








”真の歌手”になりたかった








アイドルとしてグループが組まれた日ホンビンは宿舎にも事務所にも来なくなった






俺も反抗したい気持ちもあったけど年齢とデビューすることへの焦りからアイドルになることを承諾した






あの時の選択はあっていただろうか?









ようやく戻って来たホンビンは
人が変わったように明るく愛嬌を振る舞い”アイドル”に変わっていた










ショーウィンドウに映った俺は
未だに何も変わっていない…











そんなストレスをほんの少しずつ1人で溜め込むうちに人恋しくなった…







「ごめん…ハギョン」





きっと誰かの暖かさに触れたかった









ーッッ!ー



「テグナ!テグナ!はぁはぁあ…」





突然自分に飛び込んできた人を抱きとめた










「はぁぁ〜〜やっと見つけた!へへへ☆」




俺の胸の中で歯並びのいい笑顔が眩しい…





「ハギョン?!どうし…」





あまりに輝かしい笑顔に言葉を失った



どうかしてる…

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ