星の中の君

□ーCold Nightー7
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”お揃いだよ”と言われて照れくさくって無性に胸の奥がきゅーんと痛んだ










なんだよこの感覚…









前に隣で寝そべるハギョンにキスをした時の気持ちに近い感覚…












あれからもう何週間も経ったのに…

















ベッドに入り目を閉じるとあの時の
ハギョンの笑顔が蘇って眠りを妨げた










おかげで不眠症だ











いつの間にか季節は春になり
少し暖かい日差しがさしている










デビューまであと2ヶ月をきった






ダンスとボーカル練習が終わると
”今日は特別に午後からレッスンはありません”と先生が言った





デビューをしたら青春の全てを奪われることくらい皆分かっている


今でも奪われてるのに
これからはもっとだ……



だから先生も僕達に久々のオフをくれたのだろう…









「じゃあ俺たちは
別仕事があるからお先にヒョン」










ホンビン、ジェファンが声をかけてきた










軽く合図をしウォンシクとサンヒョクが叫ぶ







「僕達はーーーー!!!!!
この後〜!地元の友達と遊ぶので帰りが遅くなるかもでーーーーす!!!!」











手を挙げメンバー達を廊下で見送ると急に暇になってしまった










僕達は朝から夜中まで
ダンスにボーカル、演技レッスンにジムに大忙しだ






こんなに急にポツンと時間が
出来てしまうと正直どうしたらいいのか分からない…









ハギョンでも誘おうか…








そう思って練習室に戻るとガラス越しに人影が見えた







扉に手をかけ









「ハギょ…









と言いかけた時








声が聞こえてハギョン1人ではない事に気付いた











「どうして?」

















「レナ……」












「なんでダメなの?」











目に映ったのは
背のスラリと高いレナだ…









デビューに最も近いAクラスの練習生で
ダンスも歌も上手いと絶賛されている
期待の星の美女





事務所にも可愛がられている子だった








ハギョンも愛嬌があり人付き合いもイイしよく事務所の食事会に参加していたからレナと仲がいいのは納得だろう…










だけど、










だけど、











この雰囲気は違うだろ?








目が離せなくなり頭ではこの場から逃げてしまいたいのに体が動かなくなった…











「ごめん…本当にごめん!」











ハギョンが両手を合わせながら謝っている








すると衝撃の瞬間が目に映ってしまった











「ッ…」















レナは近づくとハギョンにキスをした












”キスをした”









”キスをした”











その事実が心臓に強く突き刺さる









たまらず固まった足を無理やり動かし出来る限りの力で走った







「はぁはぁはぁ…な…なんで」









呼吸が乱れて苦しいことよりも
レナとのキスを見てしまったことへの
辛さが胸を締め付けた







裏切られたような








ハギョンが自分のモノではなくなってしまったような









遠い存在になったような








「なんで!!なんでなんだよ!ッ…」








すっかり薄暗くなった道で叫んで






抑えられない感情が爆発する












「なんで!なんで!!ッ…」













激しい感情が自分の中に湧き上がってくるのが怖い…











どうして?…本当に……













涙が溢れて嗚咽と共に
叫んでヒリヒリと傷む喉に
呼吸ができなくなっていく…






「ッ…ハァハァ…ハギょ、」







自分の中で何かが崩れていく音がした…

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