星の中の君

□ーCold Nightー8
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午後からオフだなんて…




何しよう…





テグナでも誘おうか…



タオルで汗を拭いながら
考え事をしていると








「オッパ!!」










声をかけられ振り向くと
レナが立っていた







「お〜レナ久しぶり」








レナは僕から見ても相当な美人だ
事務所期待の星で第二の少女時代と
言っても過言ではない。



事務所の会食で会い仲がいいから周りの男達に羨ましがられたこともあったけ…



その度苦笑し場をしのいだ…









「オッパ〜!!
私はオッパにとってどんな存在?」









「急になんだよ〜」




こういう時って
なんて返したらいいんだろう?







「可愛すぎる妹」






ニパッと笑うと






「え〜〜〜イヤだ!」





と駄々をこねてきた





本当可愛い…




こんな妹がいたら
もっと楽しかったかなぁ〜とも思う








「私はオッパとは付き合えないの?」









冗談のように聞いてくる…







「んー…?」








「どうして?」










どうして?ってどう?






「レナ…」








「なんで?」







えっ!どう言うコト?

冗談じゃないの?






気がつくと前に影が迫って

俯いた顔を見上げた







ー次の瞬間ー












「ッ









唇に柔らかな感触が当たった…









”ただそれだけ”と

冷静な頭が伝える。









急いで肩を押す









「おい…」










レナの顔が歪むのが見えた




それと同時に





ーカチャンー






廊下の方で音が響いた





脳みそはそっちに集中する…




マズイ…




誰かに見られたかもしれない








「なんでダメなの…」












この状況に耐えられなくなり
”ごめん”と一言投げて練習室を出た






周りを見渡してみても誰もいなかった…




良かった…





もしもテグンに見られてたら終わりだ



きっと僕が普通に恋愛をしていると思うに違いない



それでもテグンへの罪悪感が押し寄せる…











なんだろう…









レナとのキスは全く何も感じなかった…








レナには悪いと思うけど…










ー違うー










テグンとキスをした時の全身を駆け巡るような痺れた衝撃と違う…










きっと韓国中の男達が憧れるような
シチュエーションだったけど…










違う…













自分が一番求めているのは違う…












僕が求めているのは
















女の子でもなく










愛想もよくない










テグンだ。







女の子を好きになるのが普通だろ…



自分の馬鹿…




叶いもしないことを強く望むなんて…











言ってしまいたい…













”好き”だと言ってしまいたい…














言ってたらこの気分が楽になるかな?












それともボロボロに破滅するのかな?











愛してる。







重い足を宿舎へ向けた

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