星の中の君

□ーCold Nightー9
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渇いた涙に心が激しく揺れていた




自分でも分かってたんだ…





これが羨ましいでも裏切られたでもなく





”嫉妬”に近い感情だってコトを…













行き場を失くして宿舎のドアを開ける






ーカチャー






誰もいないのか…




部屋が真っ暗だ…












歩きを進めると真っ暗な部屋に月明かりが差して人影のように見えた







誰?











用心して近づいて行くと






暗闇で

「テグナ…」

と震える声で振り返った









重い前髪から覗かせる
つり上がった目も…





薄っすら赤い唇も…





聞き慣れた煩わしく思っていた
俺を呼ぶ声も…









ハギョン…

















手首を掴み壁に押しつけた








「テ、テグナ!??」









俺をこんな気持ちにさせたのは
お前だろ…?








「ッ…」








震える唇を奪った









一体レナにどんな風にキスをされた?







どんな気分だった?






俺よりもイイと思ったか?











溢れ出した感情が
強い口づけに拍車をかける
















「ッ…ん…はぁ…」











呼吸をしたがるハギョンの口を無理やり塞ぎまた舌を絡ませていく







今まで感じたコトのないような甘くて溶け出しそうな熱を帯びた舌で口内をなぞると肩をよじらせるハギョン…











いや





いや いや




嫌……





他の人にキスをされたこの赤い唇が憎たらしい…












「ーッッ…」









舌を抜き取るとハギョンの下唇を強く噛んだ









一瞬にして顔が歪む








力強く握られた
シャツにさらに力が加わる








なぜか余計に愛おしく感じた…









「ッ…んっ…」












唇を伝わって血の味が広がっていてく…












独占欲に駆られた心が激しく傷んで






誰かを傷つけてしまいそうなのに






頭もカラダもコントロールが効かない…











「…はぁ…はぁはぁ……………」








ようやく唇を離してあげると薄い呼吸をしながら意識が遠のいて俺にぐったりともたれかかった







額の汗に濡れた前髪が
更に欲を掻き立てる……








ハギョンを抱きかかえ
自分のベッドに放った…

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