☆長編☆
□☆2話☆
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〜ファミレス〜
『すっごい楽しい〜♪』
ドリンクを飲みながら咲莱が嬉しそうに言った。
「それはよかったネ♪」
『こうやって大勢でワイワイ遊んだの久しぶり♪』
「たまにはこうゆうのもいいな…」
銀時はパフェを食べながら言った。
「向こうの世界ではあまり遊ばなかったんですか?」
新八は不思議そうに尋ねた。
街を案内してもらってる最中に、咲莱は新八に事情を話していた。
『やらなかったね…そもそも、あんまり友達いなかったし…』
咲莱は苦笑いをした。
「なんか…すみません…」
『いいのいいの♪今はこうやって、みんなと一緒に楽しめてるし?』
「それが一番ネ♪」
「何が一番なんでィ?」
その時だった…咲莱が声のするほうに目を向けると、二人の男が立っていた。
「なんだよぉ〜…せっかく楽しい雰囲気だったのによぉ〜…」
銀時はあからさまに嫌な顔をした。
「仕事しろコノヤロぉ〜!」
『神楽ちゃん…』
咲莱は苦笑いをしながら神楽を止めた。
「てか、この可愛い子は誰です?」
『初めまして。海葉咲莱です。昨日から、万事屋さんでお世話になってます。』
咲莱は、席を立って頭を下げた。
『総悟君と土方さんですよね?』
「なんで俺らの事知ってんだ?」
そう言って、怪しげなものでも見るかのような目を向けたのは土方だった。
「なんでって…俺が《この街には税金泥棒》がいるって紹介したから?」
銀時はニィ〜っと不敵な笑みを浮かべながら土方を見た。
「どんな紹介してんだよ!?」
「間違ってはないネ…今だって、仕事しないでファミレスでサボってるネ…」
「サボってねーし!?休憩しに入っただけだしっ!?」
「わかったわかった…つか、邪魔しないでくれる?」
「こっちだって、お前らみたいな奴らをかまってるほど暇じゃね〜んだ…総悟…行くぞ」
土方はそう言うと、総悟を連れて奥の席に向かって行った。
『なんか…面白い人たちだね♪』
咲莱はクスクスと笑った。
「そろそろ出っか…夕飯の買い物もしなきゃなんね〜し…」
「今日はハンバーグが食べたいネ!!」
『じゃあ、ハンバーグにしよっか?新八君も食べてくでしょ?』
「ありがとうございます!!」
『ちょっとお手洗い行ってくる♪』
咲莱は席を立った。
数分後…
『〜♪』
「おい…」
『?!』
トイレから出てきた瞬間…声をかけられた。
『土方さん…どうしたんですか?』
「これ…俺の連絡先だ…なんか困ったことがあったらいつでも連絡してこい…」
土方は一枚の紙を咲莱に渡すと、すぐに席に戻っていった。
『…もらっても……私、この世界の携帯もってないんだよね…』
咲莱はそうつぶやいて、もらった紙をポケットにしまった。