☆長編☆
□☆3話☆
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『ありがとうございます♪また来てくださいね?』
咲莱がお登勢の店で働き始めて約1か月…
「もう22時だね…咲莱、あがっていいよ」
お登勢が時計を見ながら煙草に火をつけた。
『はい!じゃあ、着替えてきます』
咲莱は裏に行きがてら、グラスを流しに持って行った。
「迎えに来たぞぉ〜」
咲莱が裏に入った直後に銀時が店にやって来た。
「毎日毎日…家は上なんだからそんなに心配しなくてもいいだろ…」
お登勢は呆れながら銀時を見た。
「わかんね〜だろ?店出た直後にストーカーに誘拐されっかもしんねーじゃん」
銀時はカウンター席に座った。
「まぁ…用心にはこしたことはないけどね…」
『あっ銀ちゃん!』
その時、咲莱が裏から出てきた。
「よぉ。今日もお疲れさん」
『ありがと♪お登勢さん、お先に失礼します』
「待ちな…たま、咲莱に渡しておくれ」
「かしこまりました。咲莱さま、これを…」
『えっ?』
たまが封筒を咲莱の前に出した。
「あんたの給料だよ。この一か月頑張ったからね。」
お登勢が微笑みながら咲莱を見た。
『ぁ…ありがとうございます!!』
咲莱は封筒を受け取ると、お登勢に向かって頭を下げた。
「咲莱さまはお客様に人気もありますし、この一か月お店の売り上げも上がってるんですよ?」
『そんな…』
「キャサリンより働くしね」
「え〜?ワタシも頑張ってますヨ〜?」
『銀ちゃん!明日、一緒に銀行行ってくれる?』
「おぉ。パフェおごってくれるならな?」
「たかってんじゃないよ!」
『わかった♪みなさん、おやすみなさい♪』
咲莱は挨拶をして、銀時と一緒に店を出ていった。
次の日…
『無事に開設できてよかった〜♪』
咲莱は、通帳を見ながら嬉しそうに言った。
「早くしまえ…」
『はぁ〜い♪』
咲莱はバッグに通帳をしまった。
『付き合ってくれてありがと♪パフェ食べに行こ?』
咲莱は銀時を見た。
「えっ?お前…マジにしてたの?」
『えっ?食べないの?』
「食べる!」
『じゃあ早く行こう?』
二人はファミレスへ向かった。
『イチゴパフェ二つとドリンクバー二つお願いします。あっ…あと、フライドポテト一つ…』
「かしこまりました♪」
『銀ちゃん、ドリンク持ってこよ?』
「おう」
二人はドリンクを取りに行き、席に戻って来た。
『銀ちゃん…』
「ん〜?」
『銀ちゃんはなんで私の事信じてくれたの?』
「はぁ?」
咲莱の唐突な質問に銀時は怪訝な表情をした。
『だってさ…おかしいと思わない?』
「お待たせしました〜イチゴパフェとフライドポテトで〜す」
店員が商品を置いて、席を離れた。
「信じるも信じねぇーも…それは俺の問題だ。いただきま〜す」
銀時はスプーンを持ってパフェを食べ始めた。
『えっ…』
「だから、俺がいいって言ってんだから余計な心配すんなってこと!!つか、とけっぞ!!」
『銀ちゃん…ありがと…』
「つか、なんでパフェ頼んでんのにポテト?おかしくね?冷たいの食って温かいのって…」
『いーの!!私が食べたかったの!!そんな文句言うなら、銀ちゃんに払ってもらうからね!!』
咲莱が伝票を銀時に見せた。
「それは勘弁っ!!」
銀時は慌てたように手をブンブン振った。
『コレ…使えるな…』
咲莱は笑いながら伝票を見た。